(1)近年、ノロウイルスによる急性胃腸炎の原因食品としてカキなどの二枚貝が取り上げられてからカキの消費量、価格は低迷傾向にあり、とりわけ生食用マガキを多く生産してきた三陸沿岸域は深刻な状況に至るなどカキ産業全体に大きな打撃を与えています。業界からの「ノロウイルスフリーのカキ」生産法確立の強い要請に対し、ノロウイルスに関する基礎研究に平成14年から取り組んできたかき研究所はじめ、水産及び保健衛生の研究機関でも研究が行われていまするが、ノロウイルスの数を減らすことはできても完全に排除することには成功していないのが現状です。
本研究事業はカキによる健康被害の抑制に関する基礎研究として実施するものです。
(2)宮城のマガキは、北アメリカ太平洋沿岸やフランス各地に輸出され、アメリカ・カナダ・フランスにおいて新たな産業種として定着し、さらにこれらの国々からイギリスや南アメリカのチリなどへと移植され、世界各地に根付いています。今日、産地間競争は激化しており、かつての宮城の種ガキのような国際競争力のある産品を創出した我国のカキ産業の優位性は失われています。
本研究事業はこのような状況下で遺伝育種的手法を取り入れて国際競争力をもつ優れたカキの開発を目指し取り組むものです。本事業はかき研究所設立以来実施してきたカキ品種の系統維持事業の延長上に位置づけており、上記(1)の成果を応用展開しようとするものです。
本事業は、東北大学大学院農学研究科との共同研究として行われます。